依存症が教えてくれること

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依存症は、回復軌道にのっていてもスリップするものです。

風邪から回復する時、誰だって一本調子に熱が下がったりしないでしょう?上がったり下がったり、進んだり戻ったりするのが、回復というものです。

先日有名な方が薬物所持で逮捕された件で、トラウマを専門にしている支援者が彼らを叩いているのを目にしましたが、それは決してあってはならないことです。

誰だって、「あの時あれが無かったら生き抜けなかったな」ってものがあるはずです。SNSとか甘いものとか筋トレとか怒ることとか、なかなか止められないものだって一つや二つはあるでしょう。

依存は楽しんだり怠けたりするためではなく、恐怖を振り切り、がんばって生き抜くための手段です。彼らから、そのための最後の砦を奪い取る前に、なぜ彼らは、その砦のかわりに自分を頼り、話してくれなかったのか、考えてみていただきたいです。

もし太平洋の真ん中で浮き輪にしがみついている人に、「そんなヤワな浮き輪には何の価値もない」と言って取り上げたら、その人は死んでしまいます。依存症は死に至る病で、彼らを殺すのは人であり裁きであり言葉です。彼らの日常を脅かしている荒波もまた、人なのです。

[知らない・できない]のならば黙るのも誠意です。裁きは、彼らと彼らの家族を陸に引き揚げてからでもできるのですから。

それから、この19年間で私を最も鍛え、育ててくれたのは、依存症からの回復サポートでした。何らかの支援に携わる方はぜひ、依存症について知ってください。

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