吐露

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※下記の投稿以降たくさんのメッセージをいただき、その夜のうちに気持ちを立て直すことができました。リンパを郭清していようとも趣味を楽しむことはできていますし、今はボディーワーカーとしても活動しています。この日のこの文章は、医療トラウマについて考えてほしい、初期の癌であっても心が揺れ動くのは自然なことなのだと知ってほしい、そんな願いから残すことにしました。

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昨夜もほとんど眠れなかった。気持ちが不安定で、このまま一人で嘆き続けないほうが良いような気がして、出来事や思いを整理しながら書いてみることにする。(書きながら崩れないためにあえて硬い文章です。7月下旬は沢山の記念日トラウマがやってくる時期でもあって、かなりメンタル的にピンチなので、、、)

5月に右胸に腫瘍が見つかった時、初期ながら素人目にも【場所が悪い】という印象を持った。それでも、ほどなくして受けたPET検査で転移は無いと確認され、安心して手術に臨んだのだった。それがいざ手術を終えてみたら、胸だけでなく腋窩にも切り裂いた傷があり、脇からは管がのびてドレーンがぶら下がっていた。執刀医達からの「転移していたのでリンパを郭清した」という寝耳に水の話を、術後満足に動かない身体で、面会の許されない個室でひとり、聞かなければならなかった。

先日、退院後はじめて診察を受けてきて、「ステージは2かそれ以上」との診断に変わり、ついに抗がん剤治療が射程に入った。胸から二の腕の感覚は鈍く麻痺しているし、腕を挙げようとすると痛みと突っ張り感でうまく行かない。ドレーンの管は脇から伸びたままで、上半身はまだシャワーにすら濡らせない。

その上、信じがたい事実を知ることになった。リンパは郭清すると、一生涯、リンパ浮腫のリスクがついて回るらしい。皮膚からの感染や爪の切りすぎ、虫刺され、怪我、重い物を持つこと、日焼け、マッサージ、鍼治療、それら全てを避け続けなければならない。胸や二の腕の感覚異常も、軽快はしてもずっと残り続ける。おそらく、もう自分の脚で山に登ることはできないし、一般的なマッサージやボディーワークを学ぶこともできないだろう。卒論は延期しなければならないかも知れないし、SEのトレーニングも続けられるのか、先が見通せない。

緊急対応については事前に説明したはずだと、病院側は了解していることだろう。でも、告知を受けた直後&手術の直前、というタイミングで、しかもPET検査で転移は無かったと確認された状態での説明では、私は平静を保っていなかったし、リンパ郭清を自分の身に起きうることとして認識していなかった。

そして手元に残った資料によれば、恐らくこの後遺症についての説明を行ったのは担当医ではなく執刀責任者の医師だったと思われるが、当時この医師は初対面の私に名乗ることもなく、私の目を見て話すこともなかった(その上当然マスクをしている)。手術当日についても、執刀医達は麻酔がかかる前の私に挨拶をすることはなかったし、手術台の上で目覚めた時にも彼らの姿はなかった。

更に言うなら、ドレーンは本来なら昨日か一昨日には抜くことができたはずで、そうすれば見た目の悪さや不自由さや感染症リスクはいくらか減らせただろう。シャワーも浴び始めることができただろう。それが、オリンピックのために例年とはズレた祝日のせいで病院は連休に入ってしまい、延び延びになっているのだ。

こうして私は再び【社会交流の無い状況の中で選択肢を奪われる】体験をすることになった。少しでも心得のある人なら、この顛末が医療トラウマとして私の心身に刻まれることは容易に想像がつくと思う。今回のことは私の心身にとって、医療行為としてではなく、侵入や剥奪として刻まれた。

そしてこの展開をよりいっそう悲劇的なものにしているのは、私の後悔だ。今回の件について、転移が無いと言われたこともあり、私は情報を取る作業を中断していた。それは、調べすぎて自分の不安を煽らないためでもあり、いつもの理論武装するパターンを手放すためでもあった。でも今は、「この運命は何をすれば避けられたのか」と、自分が選んできた行動の穴を探して思考が堂々巡りする。良かれと思って下した判断を悔やむ時間が、自身をますます傷つけている。

私は、自分で考え、選択したかった。寿命を30年分引き換えにしなければならないとしても、この魂を存分に燃やしきって生きたかった。諦め続けた人生を再演することなく。それが本当に悔しい。そしてとても悲しい。とても、とても、とても、悲しい。この先また何を諦めなければならないんだろうかと、不安でたまらない。

それなのに、解離してるからなのか、少々知恵がついたからなのか、怒りきれず、絶望しきれず、心身の痛みの中で嘆き続けている。こんな時、友人とただ一緒に過ごして泣くことができたらどれほど慰められるだろうかと、詮ない想像に暮れながら。

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※この日いただいたメッセージを受けて、その夜に書いた文章を添えておきます。
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朝イチこの投稿をして、すぐさまそれを読んでLineでメッセージをくれた友人と通話したら、ホッとして眠くなり、起きてみたら沢山のメッセージが届いていました✨

連休の真っ昼間に読んでくださったみなさんに、心から感謝いたします🙏

人は人に救われるもの、人は人を必要とするもの。なんですよね。しょっちゅうそれを忘れて一人で閉じこもりたくなりますが、今回は【沼】の入り口でみなさんに甘えさせていただくことができました。少し寝られたのもあって、おかげさまで今はちゃんと息のできる処に戻ってこれました。

呑まれそうになった時には全ての知恵は吹っ飛ぶけれど、頂いたご縁は奪われないんですよね。宝の持ち腐れにならないように、そのことを決して忘れずに、つながりを求める勇気を落っことさずに、過ごしていきたいと思います。

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