日本の精神科病床数が諸外国に比べて際立って多いことをご存知でしょうか。
2014年の障害者権利条約の締結後はじめて、今月9日、日本政府に精神科への強制入院廃止を含む政策改善への国連勧告がありました。
今Google検索で“強制入院”と入力すると、
検索候補のトップに“させたい”が上がってきます。
私は入院“させたい”と考えるご家族を責めるつもりはありません。そう思わせる環境や歴史の上に、否応なく生まれる感情だと思いますから。
一方で、私は少なくともその環境を造っている1要因ですので、共に考え続ける・学び続ける姿勢は保ちたいとも思っています。とはいえお恥ずかしながら私自身まったくの勉強不足なので、この機に少しまとめてみることにしました。
以下、https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2022/3460_03 より↓↓↓
日本の精神科には主に措置入院,医療保護入院,任意入院の3つの入院形態があり,患者本人の同意を必要としない前者2つが強制入院あるいは非自発入院と呼ばれています。このうち措置入院は,精神保健指定医2人の診察に基づき自傷・他害の恐れがあると判断された場合にのみ適用されます。対して医療保護入院に厳格な要件はなく,患者の保護を目的に精神科医と家族等が意思決定を代行します。
以下、https://toyokeizai.net/articles/-/331577?page=4 より↓↓↓
刑期の決まっている刑事事件に対して、医療保護入院には入院期間の定めがない。(略)
厚生労働省によれば、2018年度の医療保護入院の届け出数は18万7683件(「衛生行政報告例」)。6万件前後で推移した1990年代前半と比べ、3倍超に膨らんでいる。(略)
さらに家族1人の同意が必要というのも、入院する時点に限ってのものだ。いったん入院してしまったら、その後家族が同意を撤回しても、入院継続の必要性の判断はあくまで指定医に委ねられることになる。
以下、https://semba.keizai.biz/release/146252/ より↓↓↓
2021年の630調査によると、日本には精神科病床が30万床あり、263,007名が入院中でそのうち132,481名が強制入院、つまり自分の意思によらない非自発的入院です。
さらに1年以上の長期入院者は164,196名。10年、20年に渡り入院しておられる方も珍しくありません。
630調査↓↓↓
まさに今この瞬間にも、あの宇都宮病院のホームページにはこうした記載が見られます。↓↓↓
精神科就職はコロナに強い。
当報徳会宇都宮病院は653床の精神病院です。医師等の医療従事者へのアンケートで、コロナによるライフスタイルの変化が一番少ないのは精神科です(m3調査)。全国的に入院患者数減少のなか、社主石川文之進先生の重症患者様への診察と看護による努力で、当院では入院患者数はかえって増加しています。
出典↓↓↓
好ましいものだけで視界を埋めた先に、何が待つのでしょう?
私は、そこには楽園ではなくて、フラクタルな相似性ゆえに崩壊した己の姿を見るのではないかと想像します。