トラウマによる解離のグラデーション ~ OSDDとDID

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ジャニーナ・フィッシャーの新著を読んで、改めてトリガーについて考えている。(以下、素人の私見。)

先日D(P)OHaDの話を聞いたのだけど、その時に強調されていたのは第一トリメスター(受精後3ヶ月)の影響の大きさだった。(もちろん他の時期も大事)

個人的に、私は回旋異常・心肺停止・吸引分娩を経て生まれていることもあって、人格の中に組み込まれ、トリガーを持たない過覚醒&低覚醒が存在すると確信している。

だから「解離(パーツの切り分け)はスキルなのであり、ある程度の年齢以降に起きる」「二次以上・三次未満の解離に苦しんでいる人はとても多い」と別のトレーニングで聞いた時、まさに、と思った。つまり、胎児期・周産期のショックは解離として結実し得ない可能性がある、と思っている。

そんなこともあって、二次解離が進行すると三次解離、最も深刻なのがDID、というモデルが、私にはどうしてもしっくりこないところがある。過覚醒から低覚醒までは濃度の違うスペクトラムで繋がっているのだと思うし、でありつつ、その途中の段階はそれぞれ別の深度(あるいはバリエーション)を持っている可能性はないのかしら、と。実際、サブタイプと呼ばれる病態は容易くスイッチするようだし。

キャロライン・スプリングはOSDDについて素晴らしい考察をしている。(残念ながら2年前の記事で、ICDは10版についての記述。)

例えて言うなら、栄養を摂れずに常に激しい嘔吐に苛まれるのはとてつもない苦痛なのだけど(DID)、毒を吐き出せない・自分の力でしか解毒できないのもとても苦しい(OSDD)。

OSDDは脆弱なSELFだけで栄養と毒を見分けて捌かなければいけない。まざまざと自分の無力さ・羞恥心・自責感に向き合い続けなければならないという点で、OSDDの懊悩はDIDのそれとは確かに違う。

些細な刺激でさえ毒と見做して吐き戻してしまうDIDと、毒も薬も全て自分の身体ひとつに押し留めてしまうOSDD。質の違う双方の苦しみを等しく拾うモデルが生まれてくることを願う。

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