その不快感、本当にあなたのもの? ──感覚や感情から距離をとって心を軽くするために

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「この不快な感情や感覚は自分のものか?」という視点は役に立ちます。


いったん立ち止まってそのように考えてみた時にしっくりくるなら、もしくは、そんな風に考えてみたことが全くないなら、いちど今ある不快感との距離を推し量ってみてください。


自分の中から湧き起こっている感じがしますか?自分の外からやってくるとか、外に存在しているという感じでしょうか?もしも不快感と距離があったり、不快感が自分の外にあるような感じがするなら、その出どころはあなた自身ではない可能性もあります。


不快感があなた自身のものではないとしたら、もしかしたら、かつて身近な誰かが感じていた悲しさや怒りや痛みなどを引き受け続けた結果、かもしれません。あるいは、今も誰かからおっ被されている結果かもしれません。あるいは、仕事で悲痛な声をあげる人を支え続けた結果かもしれません。あるいは、胎児期に母親から流れてくる情報を受け取り続けた結果かもしれません。(扁桃体は受精後半年でオンラインになり、痛みの経路は出生時にはほぼ完成しています。)


人との関わりの中で生きている我々にとって、この感覚は私のもの、その感覚はあなたのもの、と切り分けるのはなかなかに難しいことです。でも、自分の不快感と、自分のものではない不快感は、対峙する時の気構えが変わるはずです。


理由がないのに不快感に襲われる日々が続くと、自分を信じられなくなります。ひたすらに原因探しをするのも、自分を変えなければと闇雲に頑張るのも、苦しいです。それらと折り合うために使える視点は、試してみる価値はあるはずです。


不快感が誰のものであれ、それはあなたの一部でしかありません。不快感が自分のものであれ、他人のものなのであれ、少しでも距離を取れると良いですね。真面目にがっぷり四つで取り組めば取り組むほど、不快感は消えづらくなります。

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