SE™を創始したピーターのベストセラーは『Waking the Tiger』です。(邦訳版は『ソマティックエクスペリエンシング入門』)
ピーターは現在その改訂版を執筆中のようで、タイトルは『Embracing the Tiger』になる予定とのこと。
前作が[内なる虎を目覚めさせる]なのだとしたら、改訂版は[内なる虎を抱きしめる]でしょうか。
最近のセミナーの中で彼はこう言っていました。
「私が過去の体験を贈り物にできたのは、それを消化し、本質的な体験への招待状として受け取れたからだ。」と。
ピーターは苛烈な幼少期を生き抜いた人です。その人が、時々声を途切れさせながら過去を語る姿は、息をのむくらいに感動的でした。
以前に津田真人先生が「リソースは単にポジティブなものだけではない、リソースにはポジティブ・ニュートラル・ネガティブの三層があるだろう」とおっしゃっていたことを思い出します。
ピーターが執筆中の改訂版の副題案は[Engaging the Instinct to Heal 癒しの本能を呼び覚ます]だそうです。
どんなセラピーも魔法ではありませんが、SE™に関わっていると、しばしば奇跡や恩寵としか言い表せないような場面に遭遇します。セミナーの中でピーターは、ヒーリングを「ありふれた奇跡」と呼んでいました。
ヒーリングは、目指すものというよりも、起きるべき時に結果として起きるものです。深いヒーリングは、内なる虎を呼び覚まし、抱きしめて、抱きしめられて、涙することができた時に、誰もが浴することのできる奇跡、なのかもしれません。