無理に落ち着こうとしなくても良いとご自身を許してあげてください。余震が続く中では警戒を解けないのは自然なことです。眠れなくても、イライラしても、当然です。それは直接被害を受けたかどうかにかかわらず、です。そのことに気づき、安全を確保したら、まずはメディアから離れましょう。
それから、こうした緊急時に過去の緊急事態の経験が蘇る方がいらっしゃいます。しかも、生き抜こうとして懸命だった体験は全てフラッシュバックを引き起こす可能性があります。地震だからといってその他の被害体験が無関係だとは限らないのです。
普段は乗りこなせているご自身の過去が大きくなり、いざ飲まれてしまうと、それが現実のものであるかのように感じてしまいます。そのうえフラッシュバックは、気持ちの落ち込みや身体のダルさ、敏感さや身体の硬直などとして出ることもあります。
ですので、尻尾をつかまえて自覚するだけでも、過去や他人とご自身を切り離す取っ掛かりになります。フラッシュバックであれ、心身の反応であれ、それらと、ご自身の人間性や本心は別物です。あなたの心身は生き抜こうとしているだけなのです。
原因に心当たりがあろうと無かろうと、真実よりも大事なのは今ご自身の心身に起きていることであり、感じていることです。警戒を解いても良いタイミングが来たら、身体に戻ってください。身体が戻れば心が戻ります。
でも、身体に戻るのがふさわしいタイミングが来るまでは、月や星などの揺らがないものを見たり、ご自身にちょうどいい量だけ他人の気配を感じたり（イメージするだけでも）するだけでも十分です。いま懸命に生き抜こうとしている（かつても懸命だった）心身を、許してあげてください。
