トラウマについてNo.4 トラウマになる出来事①

トラウマについて

トラウマになって何年も残る出来事と、何事もなく過去のこととして記憶が薄れていく出来事って、何が違うんでしょうか。今日はそのことをテーマに考えてみたいと思います。

今日も、まずは例え話から始めてみますね。

今、あなたは雨の中を傘をさしながらお友達と歩道橋を渡っていると想像してみてください。

階段は濡れていたので、あなたは用心して歩いていたのですが、最後の2段を残したところで足を踏み外して転んで尻もちをついてしまいました。

お友達が駆け寄って「大丈夫?ケガはない?」と聞いてくれました。

通りかかった人も心配そうに傘を差しかけてくれました。

あなたは周囲の注目を集めてしまっているのが恥ずかしくなって急いで立ち上がり、「なんともないよ、服は濡れちゃったけどね」と言って笑いました。

お友達はその様子を見て、そばにあったカフェでしばらく休もうと言ってくれました。

お友達とカフェに入ってゆっくりしていると、お尻が痛いことと、どうやら足を捻挫しているらしいことに気づきました。

あなたはお友達に「捻挫したみたい」と打ち明けました。

するとお友達は、「近くの病院に行ってみようね」と言って手早く調べて手配をしてくれました。

・・・・・さてさてこの出来事、トラウマになって残るでしょうか?
答えはおそらくNOです。(ケガやショックは身体に残りますので、そのケアは必要です。)

トラウマセラピーではよく、その出来事が“本人にとって”“大きすぎる・早すぎる・多すぎる”時にトラウマとなって残りやすいと言われます。今回の例だとケガをしてますし予想できなかった出来事ではありますが、【単回性】と言って一回限りのショックになります。単回性のショックは、反復して何度も経験するショックよりもトラウマを残す確率が低くなる傾向があるのです。

ただし、当然ですが、単回性のショックによって人生が一変するようなトラウマ症状が引き出されることも稀ではありません。(単回性のショックには、事故、家族の死、災害、ケガなどがあります)
そして、今回の例え話のようなトラウマになって残るリスクの低い経過であっても、後に受けた治療や、家族や医療者から掛けられた言葉などによっては、このケガの持つ意味合いは大きく変わってくる可能性があります。

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