ソマティックの敷衍1

身体指向の心理療法

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今の時代、それらと無縁であれば選択肢から外れがちになるらしい。


もちろん私はそれらが不要とか魅力がないとか言いたいわけじゃないし、懐古主義はナンセンスだと思う。
この何年かで良い本もたくさん出版されたし、山ほど無料の動画も見られるようになった。おかげで回復やセラピーに漕ぎ着けるまでの時間をかなりショートカットできるようになっている。それはとても大きな進化だし、私自身もその進化にいくらかでも寄与できたらいいな、と思う。


でも、今の風潮は私たちに否応なく【多すぎる・大きすぎる・早すぎる刺激に、たったひとりで立ち向かう】ように強いている。

あたかも選択肢など無いかのように。
些事に意味も価値も無いかのように。
個人から「名前」が外されて「発される情報」というモノでしか測られないかのように。


思い出してほしい。その状況は丸ごと、トラウマティックな過去の再体験になっていやしないか、と。


私たちがヒトとして生きていくためには、手間や時間をかけてオーダーメイドに誰かと一緒に紡ぐ時間でしか購えないものがある。
たとえ自分の心身を脇に遣れば丸く収まる局面であっても。
たとえ自分が一身に背負って孤軍奮闘すれば切り抜けられる局面であっても。


否。
であればこそ、かも知れない。


神経には神経のタイムスパンがある。
神経は響きあうことで育つ。
神経は繰り返された体験を現実だと捉える。
神経の学習は受け継がれる。


そのことを忘れたら、自分の傷に塩を擦り込み、傷を量産する社会システムに加担することになるのだという自覚を、私たちは皆、持たなきゃならない。

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