セッションの中で訪れるピンチ

身体指向の心理療法

深いセッションの後には、眠くなったり食欲が増したりぼんやりしたりすることがあります。セッションが深まるとふだんの生活にも変化が起きて、波乱万丈な日々が落ち着いてきているのに逆に調子が悪くなったりもします。


元がどんな状態であれ、そこから変化するのは私たちの心身にとっては適応を迫られる事態です。そして、私たちの神経系がどんな状態であっても、メリットとデメリットの両方があります。


例えば、過覚醒が鎮まってくると眠りやすくなりますが、頭を高速回転させたり、勝ちに行ったり、マルチに活動したりすることができなくなったりします。逆に、解離がゆるむと喜びや好奇心が湧いてくるものの、痛みや疲労や悲しみや過去のつらさもありありと感じられるようになったりもします。


神経基盤が変化すればセルフイメージも変わりますし、長年抱いてきた価値観も夢も生きがいも変わってしまったりするのです。それに伴って、家族や友人との関係性にも変化の波は及びます。


そうした変化は戸惑いやつらさを伴うこともありますが、新しい生き方とこれまでの生き方をなじませていくためには必要なプロセスだったりするものです。もちろん、それまでの生き方はその時の最善の適応だったわけですから、それが間違っていたということでもありません。私としては、過去に培った個性を土台にしつつ、調整していく力を高めていけるのが理想かなと思っています。


もし葛藤が起きてきても、その地点まで相性の良いセラピストと並走できていたのなら、そのプロセスを途中で止めてしまうのはとてももったいないです。もしも、ペースを落としたり、別の方向からサポートしてもらったりするほうが良さそうに思ったら、その希望を伝えてみるのも良いと思いますよ。

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