神経系を育てよう

身体指向の心理療法

健やかな神経系は上がったら下がる、下がったら上がるものです。高止まり・低止まり・乱高下・アクセルとブレーキ両方ベタ踏み、みたいになるのがトラウマです。トラウマによって神経系の調整力が低下している状態だと、免疫系や内分泌系(ホルモン分泌)にも影響して、疲れやすさや傷つきやすさや病気の罹りやすさにもつながります。そして、暑さや台風のような天気や気圧、月経や加齢などの節目にも揺らぎやすくなります。
なので対策として、まずは神経系の負荷を下げること。そして、下がりすぎたら上げる、上がりすぎたら下げるのが効果的です。(実はふだんから私たちは自然にやってるんですけどね)
さらに、それらの調整力低下を招いているのは『このままでは生きていけない』とか『死ぬかもしれない』という恐れである場合が多いので、少しでもくつろいでその『死ぬかもモード』を緩めます。そうすることで、ニュートラルな時間が増えてきます。
(セラピーでご一緒させていただくのは、そもそもの激しい揺れや膠着状態を穏やかにしたり、持ちこたえられる範囲を広げたりする感じです)
神経系の調整力向上におひとりで取り組まれるなら、基本は、ご自身にちょうどよく食べる・寝る・動くこと。イメージとしては「ケガをしない筋トレ」とか「リバウンドしないダイエット」みたいな感じです。一生続けられる程度の、なおかつ、今持っている力をほんの少しだけ上回る程度の変化を促してみるのが吉です。
本で言うと、浅井咲子さんの『安心のタネの育て方』が参考になります。そこに載っている以外のアイディアを↓に並べてみますので、ピンとくるものがあればお試しになってみてください。
神経系のためにできることって無限にあるんですよ。万人にいつでも効果のある対処法は存在しませんが、ご自身を5秒でも1%でも楽にできるなら、そして、不快が減って快が増えるなら、どんな方法であれ有効です。どうかそのことを心に留めていてくださいね。(私はトップダウンのアプローチは詳しくないのでここには挙げませんでしたが、考え方を柔軟にしていくこともとても大切です。)

★安全を確保する(安全を守るのは社会の責任ですから、行政サービスなども活用してください)
★健康診断を毎年受ける(器質的な病気は放置せずに)
★同じ時間に起きる
★陽に当たる
★眠る何時間か前にスマホはしまう
★防衛したり驚いたりする時の姿勢を続けない(目を見開いて首をのばしてスマホを見るとか、いい姿勢にしようと腰を反らせるとか、アゴや首を固めるとか)
★力ずくのマッサージや運動を控える
★栄養を摂る(食が細くなっている時にはプロテインを控えてBCAAやEAAをいれるとか、亜鉛やマグネシウムを摂るとか)
★歯周病、副鼻腔炎、痔、胃腸炎などの炎症を治す
★酒、タバコ、小麦粉、コーヒーを減らす
★暑い(寒い)時には無理をしない、急な寒暖差にさらされないように着るもので調整する
★鼻うがいをする
★急にがんばったり、がんばり続けたりしない
★自分で選んだり、したいようにする機会を増やす(着るものや夕飯のメニューなど、小さなところから選んでその感覚を味わってみる)
★我慢していることに気づいたら逃げる、やめる、あるいは工夫して能動的にやり過ごす
★日々のルーティンを大枠で決めて、予測と制御ができるようにする(一定のリズムの繰り返しが神経系に優しい)
★アプリなどを活用して日々の記録をつける(私はDailio活用中。女性は基礎体温の記録も。)
★状態が落ち着いている時に、つぎに不調が訪れた時の自分に向けて手紙を書く(いたわりや役立つライフハックや気をつけることなど)
★安心して取り組める瞑想やヨガニドラやリストラティブヨガのスタジオをみつける(信頼できる先生に教わるのがおすすめですが、慣れてくればCDやYouTubeなどでも)
★声を出す(大声を出してみる、部屋にあるものを指差し確認してみる、「生きてる」「死んでない」と言ってみる、身体のどこにどんな音を響かせるのが心地いいか試しながらひとつの音を長く伸ばしてみる、など)
★全身をぽんぽんと軽くはたいたり、さすったり、セルフマッサージをしたりする
★シャワーを浴びる、頭頂や背中の上部にシャワーを当てる
★元気になる曲、落ち着く曲、集中できる曲などをリストアップしておいて、必要な場面で活用する
★アゴ・唇・耳のマッサージをする
★目を閉じて、そうっと両まぶたに触れる(左右の差や目の緊張など、伝わってくるままにして、しばらく待つ。変化がなくてもOK)
★好物を味わってゆっくり食べる
★さわり心地や着心地のいいファブリックに包まれたりなでたりする
★締めつける服やサイズの合わない靴をやめる
★きれいなものを見る
★しっくりくるサングラスやメガネをあつらえて目に入ってくる光量や情報を調整する
★換気扇や冷蔵庫やエアコンやパソコンの動作音から離れる
★目覚ましの音を小さなものや徐々に音量が大きくなるものに変える
★生活のスピードを落とす
★友達と話す
★ひとりの時間を持つ
★花を育てる
★動物とふれあう
★身体の近くでスマホの充電をしない
★ボランティアに参加する
★コメディを見て笑ったり、自分が動いているようなつもりでアクションを見る
★余裕が出てきたら本などで知識をつける
★自分に合う呼吸法を探してみる(だいぶ落ち着いてきたな、と感じられるようになってからにしましょう)

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