SSP(Safe and Sound Protocol)体験

身体指向の心理療法

ご無沙汰しております。Facebookに投稿するだけの心理的・脳ミソ的・物理的な余裕が無いままにバタバタと過ごしております。

そんな中でもメンテナンスは続けていて、昨日はSSP(Safe and Sound Protocol。中耳の筋肉にアプローチするバイラテラルな音楽を使用するアプローチ。ポリヴェーガル理論入門参照。)をプラスした実験的セッションの2回目でした。今日の投稿は逐語録ほどではないですが、自分の備忘を兼ねた個人のセッションの記録なので長いです。ご興味ある方はどうぞ。

この1ヶ月ほどでしょうか、ニューロフィードバックをしても呼吸のバイオフィードバックを試してもSSPを受けても、毎回必ず同じように胸が苦しくなる感じがするようになりました。こう書くとまるでフラッシュバックを起こしてるかのようですが、別に何かイメージが蘇るとかいうことはありません。ただ息苦しいだけです。それが、ここ一週間ほどは強く反応が出るようになって、胸の熱さや頭皮の捻れるような感じが加わることがありました。

そんな中での昨日のSSP2回目、やはり胸の苦しさが出てきました。目を閉じて耳を傾けているとただリラックスするだけなのに、目を開けていると様々な反応が出るのです。自分に起きていることを「これまで体感に意味づけするのは避けたかったので口にしなかったが、もしかしたらこの反応は私が生まれる時に刻まれた身体記憶がさせていることかも知れない」という言葉でセラピストの先生にお伝えしました。

ちなみに私は生まれてくる時に回旋異常があって、呼吸が止まっています。緊急で陣痛促進剤と吸引分娩(カップのような器具で引き抜く)を施されて生まれています。この間、母は孤独と激痛と医者や助産師からの叱責にさらされたようです。そんなわけで私は、母たちの罵詈雑言が飛び交う中に生まれたわけです。

話は昨日に戻ります。私はブランケットにくるまりたくなったので、そう伝えて膝を抱え、椅子の上で丸まりました。そうしてると安心はするものの、すごくさみしくて悲しい感じでいっぱいになりました。そして、お腹はあたたかいのに胸は苦しい。そこで、とてもひとりぼっちな感じがする、と言うと、セラピストの先生は私の左方、すぐそばに座ってくれて、私の手や背中に手をあててくれました。ここからはだいぶ落ち着いていったのですが、やや解離方向にシフトしていたのか、記憶は曖昧です。

通常のセッション30分が過ぎ、椅子に改めて座り直しました。少しだけSSPの延長をして、その間、セラピストの先生は私の右方に移動してくれました。触れてほしい所はと聞かれて最初は背中の上の方に手を添えて頂きました。そうしていると肩の辺りが楽にはなるものの、【核心部ではない】感じがしました。そうお伝えしてみると、「では核心部へ」とおっしゃって手の場所を変え、腎臓の後ろと右膝に触れてくださいました。この辺りは明らかに核心部という感じがあり、全身が反応し、解放が起きていることが感じられました。この頃には胸の苦しさはかなり減っていましたが、かわりに頭が重たくなってギュッと縮むような感じが出てきました。

そこからはSEのタッチに入りました。私は吸てつ反応が残っているせいもあってか顎の緊張が強いようです。また、眼が左を向きづらい特性はあらゆるセラピストに指摘されてきましたが、頭皮が上へと引っ張る力をかけているため特に右眼の動きに柔軟さがないことが原因のようです。胸郭の動きも呼吸に伴った動きが学べてなくて逆方向の動きになっているそうです。

そんなような流れで呼吸の動きを練習しつつ、頭皮に方向性を出してもらいました。そうしていると動きは良くなるものの、やや頭が重い感じは残りました。終わった時にはぼーーーーーーーーっとしていて、疲労感がありました。ここまでのことを終えてみて、やはりこれはバーストラウマだったのではないかなと思っています。もちろん当時の私は目も見えず言葉も知りませんから、昨日私が感じた苦しさやさみしさは、今の私が感じる感覚に今の私が名前を付けた、というだけのことではあるのですけれど。

人は遺伝子や細胞にすら“記憶”したり外界に“反応”したりできる仕組みがあって、それは一生涯不変とかではなくて、誕生後も常に揺らぎの中にあります。つまりその記憶装置は受精の時から作動しているわけで、数世代分の記憶が入ったメモリーを新しい身体に換装しているような感じなわけです。

しかも、海から陸へと動物が進化するには何万年という時間を要した筈ですが、人間は誕生の時に全員がそれを数時間から一昼夜程度でやってのけて生まれるのです。そりゃあ大仕事で、身体に何も刻まれていない方が不自然だなと思うのです。誰もが、大なり小なり。

それにしても、ニューロフィードバックをしてもSEをしてもSSPをしても呼吸にバイオフィードバックをかけても、何をやっても同じテーマが上がってくることが興味深いです。人は動物として・人としての必要タスクを修めないまま・完了させないまま飛び級してしまいがちです。でも、問い続けていけば必ずそれらを修め直す時期が訪れるということなのでしょう。そして、それはどこから入っても何に向けてアプローチしても、心身の采配によって今修められる修めるべきテーマが、都度ひとつずつ、与えられるということなのかも知れません。ニューロセプションって本当に階層を成してるんだなと、しみじみ感じます。

今日はすっかり違和感は消えて通常運行の1日でした。こんな行きつ戻りつを繰り返しながら、私の生まれ直しは、まだもう少し回数が必要になりそうです。本当の意味でこの世界に生まれてこの世界を見たら、私は何を感じるんだろうか。今から楽しみです。

(言うまでもなく↑は私に起きたあの場限りのことですし、SSPはバーストラウマに特化したものではありません。また、強い感情や感覚が起きる人はいるものの、静寂やリラックスを感じる人もいるようです。)

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