こんな研究を耳にした。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39266010/
曰く、感覚への注意が強く、かつ、感覚への自信が低下している場合、睡眠の質が低いらしい。
感覚の繊細さ・敏感さ・鋭敏さは、発達トラウマによくみられる困りごとだし、エラーも多い。
力になってくれる人を「虫が好かない」と敬遠してみたり、あちらもこちらも気になって注意散漫になったりしてしまう。
興味深いことに、発達トラウマではその逆の感覚鈍麻も頻出する。
疲れも痛みも悲しみも感じづらい一方で、喜びや愛おしさも湧きづらくなる。
危険な場所にも怯えないし、毒になる関係性にも近づいてしまう。
それと対照的なのが、ボディーワーカーや身体指向のセラピストなのかもしれないな、とふと思った。
普通、セラピストは鍛錬によって自分の感覚を研ぎ澄ませている。
微細な変化にも気づき、さまざまな刺激を鋭敏に察知できる。
といって、それにとらわれて生活の質を落とすようなことはほとんどないだろう。
むしろ、その研ぎ澄まされた能力によって仕事をこなせているわけで、自分の感覚への信頼のほうが勝っているはずだ。
そういう場合、自分の感覚を呪うような感情は湧きづらい。
それゆえに、生活の質やパフォーマンスまで低下することもない。
推測ではあるけれど、感覚の鋭敏さそのものが生活の質を下げるわけではないのだろうと思う。
自分の感覚が正確であり、役立っていると思えるなら、際限なく降りかかる感覚のシャワーにも、行く手を阻まれることはないんじゃなかろうか。
そうであれば、やはり大切なのは自分の感覚と親しくなることなんだろうなと思うわけで。
だからこそ、多くの人にボディーワークや身体指向のセラピーを体験してもらいたいと、願わずにはいられない。
